
喫茶コロン初の映画DVD紹介は、マスター(ボク)イチ押しの「狩人と犬、最後の旅」だ。
前週同様、小説ではないけど、いろんなジャンルから良質の「犬モノ」を紹介していくつもりなのでよろしく。

さて、この映画の原題は「le Dernier Trappeur」。フランス語を直訳すると「最後の狩人」となる。
Trappeurとは英語でいうトラップする人、ワナを仕掛けて獲物をとる伝統的な狩人のこと。
実は、この映画の主人公であるノーマン・ウィンターは、北極圏の原生林の中で50年にもわたり実際に猟師として生きてきた実在の人物だ。
実在の人物を実際の人物が演じる(ちょっとややこしい)というセミドキュメンタリー映画なんだな。
監督のニコラス・ヴァニエという人もフランスでは有名な冒険家で、ノーマン・ウィンターの暮らしぶりに感動し、彼のありのままの生活を追う映画を製作したというわけ。

そんな2人が出会ってつくった映画だから、一本筋が通っている(しかもぶっとい)。
ユーコン川の雄大な自然の美しさ、マイナス20度の凍てつく大地、そこに生きる動物たち、それを追って旅をする狩人と犬…。
すべてが妥協のない、ほんまモノの迫力だ。
たった一人、犬ぞりで北極圏の原生林を旅する狩人の姿がなんと神々しいことか。
そしてこの狩人を信頼しご主人をサポートするハスキー犬のなんと献身的なことか。

この映画を見ていると、人と犬は有史以来、こうしてお互いに助け合いながら生きてきたんだなあという思いが湧いてくる。その絆の強さ、気高さったら。
邦題につけられた「最後の旅」とは、ウィンターが山を降りることを示しているだけでなく、何千年にもわたり狩人が犬と旅をしてきたその中の“最後の旅”でもあることを伝えたかったのではないだろうか、きっと。