

どんなダメ犬、問題犬でも、彼にかかれば従順な犬に変身してしまう。アメリカで圧倒的な人気を誇るドックトレーナー、シーザー・ミランが書いた驚きの本がこれだ。
メキシコ生まれのシーザー・ミランが一躍全米にその名を轟かせたのがナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで放送されたシリーズ番組「さすらいのドッグトレーナー~あなたのダメ犬しつけます」だ。この番組でシーザーは、とんでもないダメ犬たちを魔法でもかけたように更生させている。その独自のノウハウと実践論の秘密を詳しく紹介しているのが本著なのだ。 シーザーの方法は犬の本質を理解して、問題の原因を探り、しかるべきリハビリ法を実施する。この本を読めば、「なるほど!」と思うことばかりだが、従来のしつけの本とはアプローチがまったく違う。

シーザーは犬が群れの動物であることを何より重要視する。他の犬とすぐにケンカをしてしまう攻撃的な犬でも、群れの中でリハビリさせようとする。他の犬と一緒に疲れるまで走らせて、ストレスをすべて発散させてからしつけを行う。こうしてどんな問題犬も群れの秩序やルールの中で、心穏やかに安心し暮らせるようにさせるのだ。

「わたしが犬にするのはリハビリです。訓練は人間のほうにします」とシーザーはいう。犬をリハビリさせるのは「群れの力」で、群れのなかで犬は2つの役割しかない。リーダーの役割とそれに従う者の役割だ。すべての問題犬は自分がリーダーだと決めてかかり、人間を従わせようというふるまいをする。それが問題行動で、群れのなかで「従う者の役割」を学ばせた後に、リーダーとしてのふるまいを訓練した飼い主の元に戻すことで、人間が群れのリーダーであることを犬たちに理解させるのだ。
そのいい例は“ホームレスが飼っている犬”で、ノーリードで飼い主の後を付いて歩くというのは、飼い主をリーダーとして認めている証拠。猫かわいがりでなく、ともに食料を求めて街をさまよい、リーダーが確保した食を与え、疲れたらともに寝る。犬にとっては肉体的にも精神的にも満ち足りた暮らし方だとシーザーは指摘する。飼い主がよきリーダーになるためには必読の書かも。